第1章:男前豆腐店伊藤社長ってどんな人?
第2章:男前豆腐店と山下ミツ商店
第3章:両店の今後の展望

第3章  両店の今後の展望

「男前豆腐」瞬時につながったんです。このネーミング。

山下浩希
(以下山下)

今、地釜に注目している人が多いみたいなんですけど、伊藤さんどうですか?

伊藤社長
(以下伊藤)

面白そうですよね~。

山下

僕、家継いだ時地釜だったんですよ!
当時、他の豆腐屋さん1件も見たことがなくて、地釜が当たり前だと思って知らずにやってたんです。
そして2年くらい経って茂木さんに出会って、地釜を使わない製法をしていて、「今まで何やってたんだ」って思ったんですよね。

伊藤

なるほどね。僕の豆乳は濃すぎて炊けないけど、匂い付けるためだけに地釜を使いたいな(笑)。

山下

地釜で焦がすんですか?
僕は、こげるのが悩みの種だったんですけど。
逆に伊藤さんみたいに、物は捉え方ですね。焦がしてやろうと思うと面白いですね。
僕ね、お袋に地釜やめようと言ったんですけど、お袋はやけに地釜にこだわったんですよ。やっぱりこれじゃなきゃ駄目だと。
で、なんとか説得しなくちゃいけないなと思った時に、理屈は一緒やろということで、間接炊きの釜探しましたよ。そしたらやっと「うん」と言いましたよ。

伊藤

いろいろやったわけですね。地釜かぁ、いいなぁ。
連続ラインで豆乳作っていても、最後に焦がし臭つけるだけのために、地釜通すとかやってみようかな(笑)。
そのために地釜を10個並べて、お客さんが見るだけでも、"何やってるんだろうこの人”みたいになって面白いかも(笑)。

荒井美樹
(以下荒井)

伊藤社長ならやりかねない(笑)。

山下

アメリカもまだやっているんですか?

伊藤

はい、継続で毎週やっています。

山下

順調ですか?

伊藤

そうですね。何とか少し値段を下げようかと思っているのですが…。
いくらなんでもジョニーが7ドルはないだろうと思っているんです。6ドル切りたいんですよねー。
マーケティングみたいなものだから。あ、今度ワイキキビーチに試食販売しに行きます。ビーチで、Tシャツとこの前掛けして(笑)。

荒井

その姿見たい!(笑)

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豆腐でナンパしたようなもんです(笑)

山下

ちなみに、出荷して何時間後に着くのですか?

伊藤

空輸便なので、2日くらいです。
飛行機自体は1日で着きますから。寿司ネタと一緒ですし。
だから時価が高いんですが、しょうがない。
1回外食したと思って買っていってくれてるのが現状ですね。

山下

向こうでは豆腐は普通いくらくらいなのですか?

伊藤

1ドル90何セント~2ドルです。

荒井

それに比べたらやはり高いですね。パッケージはこのまま?

伊藤

そうですね。一応裏に英語のシールは貼ってます。
向こうの人に、このパッケージでひっかかったら面白いなとは思っていますが。

山下

スケールが違うな。

伊藤

全然遊びですよ。
本格的に向こうに行こうと思うと大赤字になりそうなので。工場がないし。とりあえず日本から送る。まだ、そこまで余裕ないですね。

山下

物流で破損とかはないですか?

伊藤

容器の破損は当時ありましたが、現在はないですね。
一番あるのは冷凍ですね。スーパーに置いておくと冷気を吸いすぎて凍ってしまう。
でも、最近は高さに凝っています(笑)。コンテナに入らなくなるーって言われてますけど。

荒井

目立ちますよね。豆腐売り場にこの容器があることが凄い。

伊藤

やっぱり、アメリカでもナンパしているようなものですね(笑)

自分がいいと思ったものを出して行きたいと思います。

荒井

豆腐って透明なフィルムのものが多くて、顔が見えるじゃないですか、豆腐の。
見えないと何が入っているかわからないし、何色なのかな?いうのも気になるし、面白いですね。

伊藤

それでも、冬はどうしても停滞しがちなので、新商品は11月からバーっと出して、後は2008年に備えたり。 まあ、もがいております。

山下

楽しんでいるでしょ(笑)

伊藤

ははは、楽しんでますね。

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挑戦するのが楽しい。刺激がないと死んじゃう(笑)

伊藤

しかし、金沢で豆腐屋やっていると言うと、かっこいいですよね。日本海でね!
関東の人や京都の人って、北陸の豆腐は絶対旨いんじゃないかってよく言ってますよ。
地の利的にとっても有利なんじゃないかと思います。

山下

そう言ってもらえて嬉しいですね。
僕はどちらかというと1匹狼のようなものですが、この歳になると業界全体がどうあるべきかって思うんですよね。
実は、気になる豆腐屋さんがあって、立て続けに廃業されたんですよ。
倒産だったら、やり方が悪かったのだろうと思うけど、ヤル気なくなって廃業したんだと聞くと、気持ちが重くなりますよね。

伊藤

残念な話ですね。

山下

大きいところは大きいところで大変ですが、町レベルでも若い人が継がなかったり、さっき言った金沢の話でも、30歳の息子さんが一緒にやっていたけど、その息子さんがギブアップしてしまった。
そういうなかで、光って惹かれるようなね、大きい小さいじゃなく、"光る、惹かれる豆腐屋"ができていかなければならないと思います。
そこで、がんがんやっていく人が先頭にたっていくと、もっとかっこいい。
かっこいいという言葉は大事ですね。
若い人は、かっこよくなければやらないと思うんですよ。
伊藤さん、そういうのを前面に出して、もっとあおって下さい。

伊藤

カッコイイといっても、僕、この前農作業行きましたよ(笑)。
偶然知り合いの農家の人と北海道で合流して、収穫をやってみたくて、それを皆でやってみました。
農家の若い人のお父さん達も来ていて一緒に飲んだんですよ!そういう意味では、業界の人と酒飲むのも楽しいですよ。
すごく皆工夫されているし、北海道で、スーパーに行って、これはどうやってつくるのかな?とかって話しているし。楽しかったです。

山下

いいですね~。僕の身近では、先ほどのような残念な話もありますけど、全体的に、豆腐屋志望者は増えているんですよね。

伊藤

そういう意味では、金沢で廃業されたのは悲しい話ですよね。
でも、一発うまい豆腐を作りたいっていう人達が増えてきていると言うことは事実ですね。

山下

みんな「男前豆腐店」だから伊藤さんのところには集まるんじゃないですか?

伊藤

いえいえ、みんな、自分で豆腐屋やりたいと言って修行に来ているんですよ。
いろんなタイプの豆腐屋が出来て、それぞれ特色が出て、お客さんがチョイス出来たら楽しいですね!
そういう意味では個性派がそろってきましたね。
安いだけじゃなくてね。

男前豆腐店京都工場

荒井

業界の今後が楽しみですね。今後はそういう中で、面白いものを見つけたらどんどん取り入れていく感じですね。

伊藤

そうですね、お金をかけずに。
お金をかけて何かやりましたではなくて、仕組みとして面白いことを見つけたいなと思っています。
僕は豆腐屋がいい。飲食店は僕の場合は絶対無理。これ以上他のものは考えられないですね。

山下

よく飲食店をやりたいという人がいるけど、そんな甘くないですよね。
うちも工場始めた時、同時に飲食始めようと思ったことはあるのですが、やっぱりできないなと思って。
やったら、どっちかが駄目になるか両方とも駄目になるか。絶対両方は無理だと思う。

伊藤

僕は、豆腐屋をやって、大好きな立ち飲み屋とか居酒屋に豆腐を納品するのがいい(笑)。
飲食は飲食で凄い世界があって、僕がもし飲食やるとしたら、有名店のアルバイトから始めます。
徹底的にマーケティングします。でも、こういう風にするにはどうしたらいいかを覚えるのに何年かかるかわからない。
それくらい豆腐業からは離れられないですね。

荒井

伊藤社長には、是非このまま突き進んで欲しいですね。

伊藤

頑張ります。

山下

5年後の展望は?

伊藤

「まだやっているのか」と言われる5年後でいたいですね(笑)

山下

ははは。僕も、これからもこだわり捨てずに頑張って行きますよ。またこれからもよろしくお願いしますね!

伊藤

こちらこそ!楽しみにしています!お互いがんばりましょう!

山下・荒井

ありがとうございました。

~完~


今回の対談は、以下の3名で行われました。

伊藤信吾社長 伊藤信吾社長
男前豆腐店株式会社 代表取締役社長

〒629-0101
京都府南丹市八木町船枝滝ノ方50番地
TEL:0771-42-4511
URL:http://otokomae.jp/
山下浩希 山下浩希
株式会社山下ミツ商店 代表取締役

〒920-2501
石川県白山市白峰イ23
TEL:076-259-2024
URL:http://www.mitsu102.co.jp/
荒井美樹 荒井美樹
株式会社IBLAB コンテンツディレクター

〒920-0043
石川県金沢市長田町1-7-21 越田ビル3F
TEL:076-234-5554
URL:http://www.iblab.jp/

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